2018年7月27日金曜日

「For the Meiji」 4年 河辺駿太郎





「For the Meiji」
4年 河辺駿太郎





 最後の部員ブログを任され、早過ぎた3年間を振り返る。
3年半前の始動日、入部したての僕はスタッフ、先輩方の前で
「明治を勝たせられる選手になる」と宣言したのを思い出した。
当時の僕は、もちろん選手として試合に出場しアシストし、ゴールを決める。
それだけが明治を勝たせる手段であると考えていた。
3年半が経った今でもその想いは変わらない。
しかし、その時の考えはもうない。



「For the team」
明大サッカー部が掲げる理念の一つであり、皆この言葉の真意を日々、自問自答しながらもがいている。
自分が試合に出場し活躍して明治の勝利に貢献したい。
サッカー選手ならば当然の感情である。
いつかのリーグ戦応援の際、一つ上の先輩の石田貴俊さんが「俺たちの応援で勝たせよう」と仰っていた。
悔しい思いを抱えながらも、明治の為に、仲間の為に、今まで歴史を築いてくれたOBの方々の為に、置かれた立場で各々が全力を尽くす。
そして、その日の悔しさを糧に努力し合うからこそ、更にチームは強くなる。
これこそが、明大サッカー部のあるべき姿であり、他の大学に負けない強みだ。
そして根底には、明治が大好きだという気持ちがあるからこそである。

僕がそうであったように、下級生であればあるほどこの意識を持つ事は難しいであろう。
週末の練習試合では、自身のプレーの事ばかり考え、評価や立ち位置に一喜一憂していたし、トップチームの試合応援の際も、どこか本気ではない自分がいた気がする。
どうしたら明治の勝利に貢献できるかなど少しも考えられていなかったし、このような考えの選手が、明治を勝たせられるはずもなかった。

3年生になり、Iリーグのキャプテンを務めた試合がある。
怪我から復帰後、中々調子が上がらず結果も残せていない時期のその試合で、間違いなく1番ゴールに飢えていたし、僕自身が活躍し1日でも早くトップチームに上がり試合で活躍したいと思っていた。
しかし、メンバーが発表された時に最初に考えた事は、自身の活躍の事ではなくチームの勝利の事であった。
上級生、キャプテンとしてチームに出来る事は何か、どのようなコミュニケーションを取るべきかなど、今までの先輩方を思い出しながら自分なりに必死に考えていた。
自身が得点を決める事は目的ではなく、チームを勝たせる為の手段である事に気付いた。
チームを引っ張るという責任と自覚が自然とそういう考えにさせたのだと思う。

最高学年になり、試合に出場する機会が増え、明治の紫紺のユニホームを着る重み、チームや応援してくれる人の為にプレーする事の責任や自覚を更に強く感じるようになった。
4年生1人ひとりの言動や振る舞いでチームが良い方向にも悪い方向にも転がる事を、今までの先輩方が示してくれた。
今、関東1部リーグに所属し、強い明治であり続けられているのは、先輩方が良い方向へチームを導き続けてくださったからである。
そして、僕達も必ず引き継いでいかなければならない責任がある。

前期が終わり、リーグ戦4位、アミノバイタルも4位。
誰一人この結果に満足なんてしていない。
1ヶ月後に総理大臣杯が始まる。
様々な立場で部員1人ひとりがチームの為にという気持ちを強く持ち、自分を信じ、仲間を信じ、今までやってきた事を信じ闘おう。
そして、昨年あと一歩のところで逃したあの場所で、必ず昨年の借りを返し、後期の強い明治を体現する為にもまずは一冠獲りに行く。






【過去の記事】
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